自動採点システム導入で変わる教育現場

近年、教育現場での自動採点技術の活用が進んでいます。全国の多くの学校では教員の時間外労働などの過労が課題となっており、日本教職員組合の調査では教員の半数以上が「過労死ライン」とされる80時間以上働いているということが報告されています。これは業務削減をなかなかできない学校の現状が背景にあるからではないでしょうか。そんな中で自動採点システムの導入が教員の業務削減につながると期待されています。

実際にこのシステムを導入した学校では、テストの採点時間が半減されたといいます。教師一人が1回のテストで採点にかかる時間の平均は16時間とされているので、システムを導入すると8時間になるというわけです。また、自動採点システムを使う更なるメリットとしては問題ごとの正答率や全体の平均点などの細かいデータをわざわざ人間が計算しなくても簡単にデータ化できるというということです。これによって生徒の苦手な傾向などが一目でわかるようになり、授業内容や教育方法の見直しにも役立てることができるのではないのでしょうか。

自動採点の難点として、記述式の問題の採点が難しいとされてきました。文章を見て採点基準通りに機械が判別する必要があるためです。しかし近年はAIの技術の進化によって記述問題や小論文などの採点も可能になってきているといいます。こうしたAIの進化が採点の正確性につながっていくとさらに教育現場の負担は減っていくでしょう。

小中高の教員の平均労働時間が「過労死ライン」を超えている日本の教育現場を変えていくには、自動採点技術はこれからは必要不可欠なシステムとなっていくことでしょう。

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